スペイン語で「さようなら」「またね」は何と言う?別れの挨拶の仕方

B!

日本語と同じようにスペイン語でも様々な別れの挨拶の仕方があります。

「さようなら」、「また明日」、「また来週」はもちろん、「お元気で」や「良い週末を」なども別れの言葉ととることができるでしょう。

別れの挨拶に限ったことではありませんが、相手との関係やその時の状況によって選ぶ言葉は変わってくるものですよね。

例えば、ビジネスの場やその他あらたまった場で挨拶する場合には、その相手との関係にふさわしく礼儀正しい挨拶をしなければいけません。

逆に親しい間柄の人に対してあまりに硬い挨拶をすると、態度がよそよそしいと思われてしまうでしょう。

また、これからも頻繁に会うとわかっている人との別れ際の挨拶と、以後しばらく会う予定の無い人との別れの挨拶ではまったく違った表現になると思います。

ここでは様々なシチュエーションにおける別れの挨拶を紹介します。

「誰と・どこで・どんな状況で」の挨拶なのかを常に考えながら、その場に適した表現を選んで使えるようにしておきましょう。

シンプルな別れの挨拶

  • Adiós.(アディオス)=さようなら。ごきげんよう。

スペイン語を勉強していない人でもこの言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。

「さようなら」を意味するスペイン語としては、少なくとも日本人の間では最もよく知られているものでしょう。

とはいえ、実際にスペイン語圏の人々の間で最もよく使われている言葉というわけではありません。

というのもこの“Adiós”は、日常的な別れよりも長い別れ、つまりしばらくは再会する見込みの無い人との別れの際に発せられることが多いからです。

ただ、気楽なトーンで、しかも「また明日」など近い将来の再会をほのめかす言葉を付け加えれば、束の間の別れということもあり得ます。

  • Ciao.(チャオ)=じゃあね。またね。

“Adiós”とは正反対に、こちらはとてもカジュアルに使われる挨拶です。

イタリア語では同じ言葉を「こんにちは/やあ」の意味でも「さようなら/バイバイ」の意味でも使われますが、スペイン語では専ら別れ際の挨拶と考えられています。

ごく親しい気楽な間柄で使うには問題ありませんが、相手が仕事関係の人や年配の人、あるいは社会的に敬意を払うべき人である場合にはふさわしくありません。

  • Hasta luego.(アスタ・ルエゴ)=また後で。

“Hasta+時を示す言葉”は日常生活で最も頻繁に使われる別れの挨拶の形と言えます。

“Hasta” はもともと「~まで」という意味の前置詞ですが、後に続く語によって「また~に会いましょう」の意味のフレーズを作ります。

この文では「後で・その後に」を意味する“luego”が続くので、「また後で」という挨拶になります。

同じ日に再会する予定があるような場合にも使うことができるフレーズです。

  • Hasta pronto.(アスタ・プロント)=また後で。

“Hasta”に「すぐに・間もなく・早く」などを意味する “pronto” が続くと、「また後で」あるいは「またすぐにね」という文になります。

時間のとらえかたは主観によるところもありますが、いずれにしてもごく短い期間の別れの前の挨拶です。

  • Hasta mañana.(アスタ・マニャーナ)=また明日。

“mañana”は“el mañana”と男性名詞として使われる時は「明日・翌日」の意味、“la mañana”と女性名詞として使われる時は「朝」を意味します。

冠詞が無いので見分けが付きませんが、ここでは前者の「明日」を意味します。

ただ、実際には次の日に会つもりもないのに、習慣でつい“Hasta mañana”という人も結構いるので、間に受けてしまわないように注意してください。

  • Hasta la vista.(アスタ・ラ・ビスタ)=また次に会う日/時まで。

“vista”には「視力・視線・眺め・外見」など様々な意味がありますが、“Hasta” に続くときは「また次に会う日/時まで」という別れの挨拶になります。

  • Hasta la próxima semana. (アスタ・ラ・プロキシマ・セマナ)=また来週。

“próximo/a”は「来る(きたる)」、“semana”は「週」を意味するので、文全体では「また来週」となります。

“la próxima semana” の代わりに “el próximo lunes” とすると「今度の月曜日に」、“el próximo mes”とすると「また来月」です。

他にも未来の時を表す言葉であればほぼ何でも組み合わせることができます。

いずれにしても、前述の“Hasta luego.”や“Hasta pronto.”とは違い、具体的に会う予定がある場合の別れの挨拶だと言うことを覚えておいてください。

「さようなら」以外の別れの挨拶

別れ際には「さようなら」だけではなく、大抵は何か他の言葉を付け加えますよね。

それは「体に気をつけて」「元気で」など相手の身体を気遣う言葉であったり、「ご家族によろしく」など伝言のようなものであったりと様々です。

ここでは、そういったフレーズの中でもよく使われるものをいくつが紹介しましょう。

  • Cuídate.(クイダテ)=気をつけて!元気で!

動詞“cuidar”(クイダール)は「~に気を配る」「~の世話をする」を意味します。

それが再帰動詞の“cuidarse”(※)となると「自分(の身体・健康)に気を配る」を意味することから、このフレーズは「体に気をつけて」ということになります。

※ここでは文法は詳しく説明しませんが、スペイン語の再帰動詞とは主語と目的語が一致、つまり「自分が自分に~する」という動詞です。

上の例文は、文法用語でいうと再帰動詞2人称単数の命令形で、直訳は「あなた自身の健康に気をつけなさい」となります。

  • ¡Suerte!(スエルテ)=幸運を!

“suerte”は「運」という意味の単語です。

「良い」を意味する“buena”を付けても付けなくても、上記のように相手の幸運を祈るフレーズとなります。

“Te deseo buena suerte.”(テ・デセオ・ブエナ・スエルテ、「あなたの幸運を祈ります」)ときちんとした文章で表すこともできますが、親しい間柄の挨拶としては、シンプルに“Suerte.”とだけ述べるのが一般的でしょう。

英語でいう‟Good luck.“ですね。

  • Nos vemos.(ノス・ベモス)=また会いましょう。

動詞“ver”(ベール、「見る・会う」)を使う表現です。

直訳すると「お互いに会いましょう」となりますが、実際に意味するところは上の通りです。

確実にまた会う機会があるとわかっている場合にはこの表現がよく使われます。

  • Saludos a tu familia. (サル―ドス・ア・トゥ・ファミリア)=ご家族によろしく。

‟saludo“は「挨拶」の意。

“Saludos a ~(人)”で「~(人)によろしく」という意味の文になります。

“de mi parte”(デ・ミ・パルテ)をつけて「私からの」という意味を加えることもあります。

  • ¡Que tengas buen viaje!(ケ・テンガス・ブエン・ビアへ)=よい旅行を!ご無事で!

直訳すると「あなたが良い旅をしますように」となりますが、要は英語でいう‟Have a nice trip!“です。

旅行前の人だけでなく、長めの距離を移動する予定の人に対しても使われます。

  • ¡Que tengas buen fin de semana!(ケ・テンガス・ブエン・フィン・デ・セマナ)=よい週末を!

前の文と同じで、相手が楽しい時間を過ごすことを願っている、と伝える表現です。

‟fin“は「終わり・最後」、 ‟semana”は「週」の意です。

毎週金曜日には、学校や職場など至る所で聞かれます。

  • ¡Que te vaya bien!(ケ・テ・バジャ・ビエン)=うまく行きますように!

こちらも相手の幸運や成功を祈る表現です。

これから試験を受ける、新しい仕事を始める、などと語る相手に対してはもちろん、漠然と「(これからも)がんばってね」といった応援の気持ちを伝えたい時にも使われます。

  • ¡Que te mejores! (ケ・テ・メホレス)=早く良くなってください!

“mejorar”(メホラール、「改善する」)の再帰動詞‟mejorarse”の2人称単数・接続法を使っています。

文法で接続法をまだ学んでいない初級者にはやや難しいですが、とりあえず慣用句のように覚えてしまっていいかもしれません。

お見舞いの帰り際や、会話の中で体の不調や痛みを訴えた人に向かってこのような言葉をかけます。

直訳は「あなたが早く良く(元気に)なりますように」ですが、日本語の「お大事に」の意味を含んでいると思っていいでしょう。

  • Tomaremos café.(トマレモス・カフェ)=(そのうち)コーヒーでも飲みましょう。

もちろん文字通りの意味で使う場合もありますが、別れ際に「また会いましょうね」の意味で発せられることの多い文です。

日本人が「今度またお茶しましょう」と儀礼的に言う使い方と同じですね。

実際にその気があるのか無いのかは、その人の性格や相手との関係から判断するしかないでしょう。

まとめ

ここまでたくさんの別れの挨拶を紹介してきましたが、実際にはどれか一つを単独で使うよりも、2つか3つ組み合わせて使うことのほうが多いかもしれません。

<例>

  • Adiós. ¡Que tengas buen viaje!=さようなら。楽しい旅行を(気を付けいってらっしゃい)!
  • Hasta el próximo lunes. ¡Que tengas buen fin de semana!=また月曜日に。良い週末を!

組み合わせ方は状況によって様々です。

シンプルな別れの言葉でも問題はありませんが、何か一言添えて見てください。

相手への思いが伝わって、より気持ちのよい別れ方ができると思います。

こうしてみてみると、日本語と共通する挨拶もかなりありますね。

ただ、使う相手や状況が必ずしも日本人同士のそれとは一致しないので注意してください。

また、同じスペイン語圏でも、国や地域によって挨拶の仕方は変わってきます。

機会があればネイティブの人々がどんな状況でどんな別れ方をするのか、観察してみるといいかもしれません。

最新の記事はこちらから