英語の起源。英語の歴史や影響を受けた言語の単語集。

国際語として今や世界中の人々が話すようになった「英語」。

今回はその起源について紐解いていきたいと思います。

現在では共通語として定着している「英語」も、もともとは一部の地域の人々のみが使用する言語でした。

それが長い歴史を経て、さまざまな言語の影響を受けながら現在の形態に辿り着いています。

まさに言語とは人々と共に歩んできた、生きた歴史だと言うことができるでしょう。

また英語の起源に関連する情報も合わせてまとめましたので、是非チェックしてみてください。

それではさっそく英語の起源から見ていきましょう。

英語の起源

現在、世界で英語を第二言語として使用する人は約5億人もいると言われています。

第二位の中国語が約1億人、次いでスペイン語が約7千万人なので、その使用者の多さがお分かりいただけると思います。

ちなみに母語で言えば中国語、英語、スペイン語の順となりますが、これは中国人の人口が最も多いことに起因しており、第二言語として使用する言語でみるとやはり英語が圧倒的に1位を占めています。

その英語ですが、基を辿れば先住民であるケルト系の人々が使用していた言語が始まりと言われています。

彼らは現在のアイルランドやスコットランドに移住した人々の祖先に当たります。

ケルト語の名残としては「London」が有名で、その意味には諸説ありますが、「沼地、荒地」や「渡るには広すぎる川」を意味するとされています。

またテムズ川の「Thames」には、ケルト語で「薄暗い川」という意味があるそうです。

その後アングロ・サクソン系の人々がグレイト・ブリテン島に侵略し、彼らの使用していた「ゲルマン語」を浸透させていきます。

彼らは現在のドイツ北部からやってきたアングロ族、サクソン族、ジュート族であって、「English」とはAngle、すなわち「アングロ族の」という意味に由来しています。

英語の起源 フランス語の影響

さらに、その後フランス地方にいたノルマン族に支配され、彼らの使用していたフランス語の影響を大きく受けることになります。

例えば以下に挙げる英単語は当時フランスから入ってきた言葉で、のちに人々の間で元来の英語でも意味が通るように置き換えられていきました。

当時はフランス語から影響を受けて入ってきた言葉を貴族が、従来の英語を庶民が使うというように区別されていたようです。

Postpone put off 延期する
Submit hand in ~を提出する
Enter go into 中に入る
Discover find out ~を見つけ出す
Continue go on ~を続ける

そのため、政治や法律用語には多くのフランス語系用語が用いられています。

例えば、

Money お金
Tax 税金
Parliament 議会
Council 地方議会
Court 法廷
Judge 裁判官

などがあげられます。

この名残が現在の英語にも見られ、比較的丁寧な文章表現として使われる単語と日常会話に使われる単語とで区別されています。

例えば、

Purchase buy 購入する 買う
Respond answer 返答する 答える
Require need 要求する 必要である 
Demand ask 要求する 尋ねる
Inform tell 通知する 知らせる

上記左側は全て語源がフランス語である単語が英語なったものです。

ビジネスメールで使用する場合を想定してみると分かりやすいのではないでしょうか。

丁寧な表現の場合は左側を用いることが多いと思います。

またMale、Femaleも、もとはフランス語を起源としており、公共の場などで丁寧な表現をするときには上記を用いることが多いことが分かります。

この流れは英仏の百年戦争終息時まで続き、その後少数派だったフランス語に変わり英語が主流になっていきます。

それでも英語に上記のような使い分けがあるのには、こういった歴史背景があるのですね。

英語の起源 ラテン語、ギリシャ語の影響

また16世紀に入ると、ラテン語やギリシャ語の影響を新たに受けるようになっていきます。

この頃には学問の発展が著しく、数百ものラテン語が英語に取り入れられたと言われています。

関連する学術用語には、例えば、

Explain 説明する
Technic 技術
Industry 産業
Library 図書館
School 学校
Education 教育
Grammar 文法
Master 博士
Communicate 意思疎通を図る
Disciple 躾をする
Paper 紙
Picture 写真
Tradition 伝統
Plant 植物
Candle ろうそく

など、キリスト教が伝わったことにより多くの言葉が導入されています。

今は当たり前に英語として使用している言葉ですが、その語源は一つではないことが分かりますね。

英語の起源 イギリスの意味

英語関連でもう一つ。

イギリスはなぜ日本でイギリスと呼ばれているのかご存知ですか?

英語では正式名称を「The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」(グレイト・ブリテンおよび北アイルランド連合王国)と表記しますが、「イギリス」とはどこにも含まれていませんよね。

また英語ではU.Kというのが一般的です。

これは英語ではなく、日本語との貿易が盛んだったポルトガルやオランダの言葉で英国を意味するIngles(イングレス)、Engels(エンゲルス)に由来していると言われます。

当時の日本人はこれらの言語に大きく影響を受けていたのですね。

正式にはブリテン島にあるEngland、Scotland、Walesとその上の北アイルランドを含めた全てに上記の長い名称がついており、その省略形がU.Kです。

日本人がイギリスといっているのは、主にEnglandのことになります。

またEnglandは上記より、アングロの土地という意味になりますね。

小説や古い歴史書を見ていると、たまに「猊利太尼亜(ぶりたにあ)」と表記されていることがあり、この方が英語に近い表現だったかもしれません。

日本語でもこのように時代や流行りによって、言葉は刻々と変化していくものなのです。

名前に見られる英語の起源

この他にも人名に歴史のある言語の名残が見られます。

例えば、以下は全て「一族の息子」であるという意味があり、苗字を聞けば当時はどこの出身者か判断できたということになります。

スカンジナビア系 -son
Johnson, Anderson, Atkinson

アングロサクソン系 ~ing 
Browning、 Rowling、Pershing

ケルト系 Mc
McDonald、Mckenzie、MacArthur

アイルランド系 O’
O'Henry, O'Brien, O'connor, O'Neil

ノルマン・フレンチ系 Fitz
FitzGerald

その他の言語の影響を受けた英単語

その他にも、英語はさまざまな言語から影響を受けています。

綴りが少し難しかったり、特徴があったりする単語は、もしかしたら多言語が起源のものも多いかもしれません。

フランス語
Renaissance ルネサンス
Entrepreneur 起業家
Genre ジャンル
Croissant クロワッサン
Café カフェ

ドイツ語
Kindergarten 幼稚園
Rucksack リュックサック
Waltz ワルツ
Doppelgänger ドッペルゲンガー
Cobalt コバルト
Bagel ベーグル
Hamster ハムスター

スペイン語
Macho マッチョ
Plaza プラザ
Guerrilla ゲリラ
Cigar 葉巻
Mosquito 蚊 (小さい蚊を意味する)
Canyon キャニオン 

イタリア語
Paparazzi  パパラッチ
Barista バリスタ
Finale フィナーレ
Duo デュオ
Opera オペラ
Piano ピアノ
Tempo テンポ
Apartment アパート
Motto モットー
Scenario シナリオ
Studio スタジオ
Magenta マジェンタ
Sepia セピア
Latte ラテ

トルコ語
Sherbet シャーベット

日本語

Karaoke カラオケ
Tsunami 津波
Ninja 忍者
Karate 空手
Manga 漫画
Sushi 寿司
Maccha 抹茶
Zen 禅

日本語にもそのまま英語で使われている単語がありました。

その国の特色を表しているようで興味深いです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は「英語の起源」とそれにまつわる歴史、そしてさまざまな単語をまとめてみました。

今まで英語だと思って学習してきた単語も、歴史を辿るとさまざまな言語がもとになっていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

英語はケルト人に始まり、ゲルマン語、フランス語、ラテン語、ギリシャ語と歴史の中で多くの言語の影響を受けていきます。

また近代に入ってもドイツ語、スペイン語、イタリア語を始め、日本語やアジア各国の言葉も使われるようになっています。

SUSHI、KARAOKEのような日本語までが英語に取り入れられていることからも、言語が時代とともに変化していくものだということが感じられます。

自分が気になった単語があれば、その語源について色々調べてみるのも、知識が深まって面白いですよ。

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