スペイン留学へ向けてプランの立て方。事前に必ず決めるべき3つの事

外国語を学ぶ人なら誰もが一度は海外留学を経験してみたいと考えますよね。

ただ経済的・時間的に難しい、海外で暮らすのは怖い、などの理由で最初から諦めてしまう人も多いのではないでしょうか。

海外の詳しい情報や留学のノウハウを知ることで、そのような留学できない原因の解決の糸口が見つかるかもしれません。

この記事を通じて、留学に向けての一歩を踏み出してもらうお手伝いができれば、と思います。

スペイン語の語学留学ならば大抵の場合行き先はヨーロッパのスペイン、あるいは中南米諸国(ポルトガル語が公用語のブラジル以外)ですね。

ここでは主にスペインに焦点を当て、個人語学留学プランの立て方をみていきましょう。

留学期間・時期の決定


プランを立てる上でまず考えなければならないのが留学期間と時期、つまり「いつからいつまで」留学するかということでしょう。

数週間の短期留学であれば日本の学校や会社の休暇を利用することができますが、数か月単位の留学となると休学・休職を考えなければなりません。

また、留学先の学校によってはコース開始時期が限定されている場合もあります。

さらに中長期の留学では学生査証(ビザ)が必要になるので、その取得にかかる時間も考慮して手続きを進めないといけません。

短期・中長期留学の違い

ビザの観点から見ると、スペインでの語学留学期間は大きく3つに分けられます。

  • 90日以下の留学:観光ビザとパスポートが必要。日本人は観光ビザは免除されているので、実質的には「ビザなし」。
  • 91日以上180日以下の留学:短期学生ビザとパスポートが必要。ビザの有効期間は事前に申告した留学(学校在籍)期間のみで延長は不可。
  • 181日以上の留学:長期学生ビザとパスポートが必要。ビザは現地で学生滞在許可証(Tarjeta de Estudiante)に切り替えた後、留学(学校在籍)期間に応じて延長が可能。

いずれの場合も、パスポートの残存有効期間には注意しなければなりません。

留学生だけでなく、旅行者やビジネス出張者にも共通することですが、スペインに入国するためには有効期間がシェンゲン領域国(※)からの出国予定日から3か月以上残っている必要があるからです。

※「シェンゲン領域」とは:

ヨーロッパの国家間において国境管理を廃止し、共通のビザの発給基準を定めるシェンゲン協定への参加国。

スペインも含まれる。

短期学生ビザと長期学生ビザでは申請必要書類が一部異なりますし、申請から承認・受理までにかかる時間も変わってきます。

一般に短期学生ビザは1~2か月、長期ビザは2~3か月かかると言われますので、それも考慮して留学準備をすすめる必要があります。

留学開始(入学時期)を決める

私立の語学学校の場合自分が好きな時に受講を開始することができ(まったくの初心者は限定されている場合あり)、受講期間も最低「2週間以上」とだけ決まっているところがほとんどです。

大学付属のコースでも語学学校のようなシステムを採用しているところはありますが、大半は学期制、あるいは月単位で日程が組まれています。

そのため、入学時期も原則として各コース開始の日に合わせなければなりません。

留学する決意をしたならば、まずは留学期間・開始時期をはっきりさせることが大切です。

そして時間に余裕も持って準備をすすめていきましょう。

留学先の決定

留学時期・期間と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが留学する街や学校の選定です。

留学途中での滞在先や学校の変更は不可能ではありませんが、色々と面倒な手続きが発生します。

事前にできるだけ情報を集め、自分に合った留学先を見つけられることが理想です。

留学先の国・地方・街を決める


スペイン語学留学の場合、まずはヨーロッパ(スペイン)か中南米かを決め、その後具体的な地方・街を選んでいくことになりますね。

同じスペインという国の中でも地方によって気候・食べ物・生活習慣は大きく変わってきます。

お気に入りのサッカーチームがあるならその本拠地、フラメンコに関心があるなら本場のアンダルシア地方、寒いのが苦手という人は地中海沿岸、など趣味や求める生活環境に基づいて留学する場所を決めるというのも一つの案です。

ひとつ知っておきたいのは、スペインには4つの公用語があると言うことです。

一般的にスペイン語と呼ばれ全国的に使用されているカスティーリャ語、バルセロナを州都とするカタルーニャ州のカタルーニャ語、北西部ガリシア州のガリシア語、そしてスペインとフランスにまたがるバスク地方で使用されているバスク語です。

どこの地方でも外国人向けのスペイン語のコースでは標準語とされるカスティーリャ語を教えますが、街にでると地元の人同士の会話では地方の公用語で話していたり、交通標識や看板がその地方の言語で記されていることが多いです。

上記の複数の公用語以外にも、発音や語彙の一部がカスティーリャ語とは異なる方言・訛りをもつ地方はたくさんあります。

きれいな(訛りのない)カスティーリャ語を話すといわれるのはサラマンカやバジャドリードといった内陸のカスティーリャ・イ・レオン地方の街です。

まずは最も広く使われているカスティーリャ語をしっかり学びたい、という人には第2公用語の無い地方がおすすめです。

いい機会だから他の公用語も身につけたい、という人は敢えてカタルーニャやガリシア、バスク地方を選択してもいいかもしれません。

学校を決める

語学留学生が学ぶ場所としては私立の語学学校と大学付属のスペイン語コースが主流です。

どちらも入学試験などはなく、最低年齢条件さえ満たしていれば受講できます。

コース初日にプレースメントテストがあり、その結果次第で相当するレベルのクラスに振り分けられます。

実は公立の語学学校もあり、料金は上述の2つと比べるとかなり安いです。

が、入学時期が一年に一度しかない、一クラスの人数がとても多い、入学希望者が多ければ抽選になる、などの理由から初めて留学をする場合にはあまりおすすめできません。

以下に挙げるそれぞれの特徴を参考に、私立の語学学校と大学付属コースのどちらが自分に合った留学先かを見極めてください。

私立の語学学校

私立の語学学校の一番の特徴は1クラスあたりの人数が少ないということでしょう。

留学生の多い時期でも7~8人、少ない時期には2~3人ということもあります。

全体の学生数も大学付属のコースなどに比べると少なく、アットホームな雰囲気の学校が多いです。

また、高校生・大学生くらいの年齢から定年退職後の年配の人まで幅広い年齢層の学生がみられるのも特徴です。

少人数であるゆえに、授業中ひとりひとりに対するケアが行き届きやすいというメリットがあります。

また、夏期など学生数が多い時には遠足や食事会などのアクティビティを企画する学校も多く、授業以外の時間(放課後・週末)のサポートも充実しています。

ただ、学校全体の人数が少なかったりすると、全レベルのクラスが設けられないこともあり、自分にぴったり合うレベルの授業が受けられない可能性があります。

また、学校内では教師以外のネイティブスピーカーと接触する機会が少ないというデメリットもあります。

大学付属のスペイン語コース


多くのスペインの大学(大半は国公立)は外国人のためのスペイン語コースを設置しています。

一般的に1クラスあたりの学生数は語学学校よりも多く、年間を通して平均10人前後、多い時には20人近くになる場合もあります。

語学学校と同様に受講の年齢制限(上限)はありませんが、実際は10代、20代の学生が大半を占めています。

大学付属のコースのメリットとして、図書館やジム・プール、食堂など大学の施設を利用できること、そして一定の語学レベルに達すれば学部の授業を聴講できることなどが挙げられます。

キャンパス内でネイティブスピーカーと触れ合う機会が多いのも魅力的ですね。

デメリットと言えば、1クラスあたりの学生数が多いことでしょうか。

積極的に参加しなければ受け身の授業となってしまう可能性があります。

また、前述のように入学時期や受講期間に制約があるので、スケジュールの調整が難しいという問題もあります。

コースの終了証(ディプロマ)を取得するためには受講期間中おおよそ80%以上の出席が必要とされるため、長期欠席や途中で転校・帰国した場合には終了証がもらえないこともあります。

この大学付属コースの修了証があれば、外国語科目の単位に加算してくれる日本の大学もあるようですので、留学前に自分の大学の事務所に確かめてみてください。

以上のことから、全くのスペイン語初心者や短期間で留学生活を満喫したいという人には、私立の語学学校のほうが合っていると言えるでしょう。

一方、ある程度の語学力がある人や学校の外では自立した留学生活を送りたいという人には、大学付属のコースがおすすめです。

留学手続きの方法

留学を決心し、時期や行き先が決まったら、いよいよ具体的な準備に入ります。

入学手続き、宿泊手配、航空券の手配、海外旅行(留学)保険の契約、そして必要な場合はビザの申請など、留学に向けてやるべきことは山積みです。

自分で手続きをする

とんどの語学学校や大学付属のコースのサイトはスペイン語の他に英語でも書かれています。

また学校によっては日本語のページを用意しているところもあります。

自分で情報を収集したり、留学先とコンタクトをとることも不可能ではありません。

手続きをすべて自分で行うことによって費用を抑えられますし、苦労しながらでも進めていくことで色々な知識や経験が身につくことは確かです。

時間に余裕のある場合は、自力での手続きにチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。

留学エージェントに依頼する

忙しくて時間がない、スペイン語や英語に全く自信がない、あるいはプロの意見を取り入れたいという場合には、留学エージェントに依頼するという選択肢もあります。

情報収集から入学手続きから航空券・ビザ申請書類の手配まで、多岐に渡って留学準備のサポートをしてくれます。

依頼する内容に応じて手数料がかかりますが、安心料・時間の節約料だと考えれば決して高くはないと思います。

様々な言語・国を取り扱っている留学エージェントもありますが、おすすめはスペイン語留学に特化したエージェントです。

実際に留学経験があったり現地をよく知っている専門スタッフが、より詳しい情報とより適切なサポートをしてくれるからです。

まとめ

どんな留学プランを立てるにしてもまずは事前の情報収集が大切ですね。

情報が多ければ多いほど選択肢も増え、自分の理想に近い留学計画をたてることができるでしょう。

この記事が、漠然としたアイデアでしかなかったスペイン語学留学を具体的な実行プランに移すきっかけとなってくれれば嬉しいです。

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