スペイン留学の準備リスト。事前に準備すべきものと現地で役立つ持ち物

今回はスペイン留学をするにあたって事前に準備しておくべき物事について見ていきたいと思います。

書類・手続き関係については以前の記事と重複する部分もありますが、大切なことなので繰り返し説明します。

事前に用意する書類・手続き関係:

パスポート

旅行者、出張者、留学生あるいは海外在住者でも海外渡航の際に必ず必要になるのがパスポートですね。

有効期限内のパスポートがあればいいというものではありません。

スペインに入国するためには有効期間がシェンゲン領域国からの出国予定日から3か月以上残っている必要があります。

有効期限が近くなっているパスポートを持っている場合には、留学前に更新しておきましょう。

学生ビザ

91日以上の留学になる場合は学生ビザが必要となります。

学生ビザについては以前の記事「スペイン語学留学実現に向けて。

まずは留学プランを立てよう!」も参照にしてください。

ビザという単体の書類があるのではなく、パスポート中の1ページに添付されて(印刷されて)います。

空港のパスポートコントロール(入国・出国手続き)でも提示を求められることもあるので、ビザが貼付されているページを確認しておいてください。

海外旅行保険/留学保険

海外旅行保険の基本的な補償内容に、留学特有のリスクに対する補償特約を加えた留学保険というものがあります。

留学中に日本の家族に何かあった場合の緊急帰国費用補償や、宿泊・住居施設の損害賠償補償または生活動産など、一般的な旅行保険では補償されない部分がカバーされます。

短期留学の場合は海外旅行保険でも大丈夫かもしれませんが、長期留学の場合は留学保険を契約することが望ましいです。

特に、学生ビザ申請の際には緊急帰国費用補償など一定の条件を満たしている必要があるので、確認が必要です。

よくクレジットカードに付帯されている保険ではだめですか?という質問がありますが、カード付帯の旅行保険ですと補償の範囲がかなり限定されていたり、補償金額が低かったりするので、十分とは言えないでしょう。

スペイン渡航の際には、保険契約番号の記載されている保険証書(契約書)だけでなく、事故や病気の際の連絡先など実用的な情報の書かれているハンドブックも忘れずに。

そしてここでもう一度、申請書やパスポート以外でビザ申請に必要な書類を以下のリストで確認してください。

(※のついているものは、181日以上の長期学生ビザの場合のみ必要です。

)

  • 入学許可証:留学先の学校が発行。
  • 宿泊証明:留学先の学校が発行。
  • 海外旅行保険/留学保険(英文または西文の証書):損害保険会社が発行。
  • 無犯罪証明書:警察が発行。(※)
  • 健康診断書:大使館所定のフォームあり。病院の医師が記入・押印して発行。(※)
  • 経緯在能力を証明する書類(英文):銀行残高証明書など。

これらの書類は取得するまでに時間がかかることがあります。

逆に、ビザ申請の日から遡って〇〇日以内に発行のもの、と規定されているものもあります。

ビザ申請と書類取得のタイミングをよく考えて準備を進めましょう。

持ち物

次に実際にスペイン渡航時に持っていくものを確認します。

つまり、スーツケースや手荷物に入れて持っていく荷物です。

航空会社によりますが、エコノミークラスの場合、手荷物は大抵20㎏前後のスーツケース1個と機内持ち込み用のキャリーケース大の荷物に限られています(稀にスーツケース2個まで可能な航空会社やチケットもあります)。

長期留学となると必要な物も増えるので、日本からスペインの滞在先に必要な物を送りたいという人もいると思います。

が、近年日本からの船便、EMS便、航空便などはスペインの税関で留められ、関税をかけられるケースが多発しています。

時間と手間、さらには送料がかかることを考えたら、「できるものはすべて現地調達する」くらいの気持ちで、渡航の際に自分で持っていける分量に収めることをおすすめします。

書類・貴重品(現金・カード類)

  • 前述のすべての書類の原本とコピー: 現地での手続きの際や、盗難にあった場合などに必要となります。ビザ申請書類の一部は大使館から返却されませんので、その書類に関してははコピーのみで大丈夫です。
  • 現金・クレジットカード等

日本円をユーロに両替する必要があります。

現地でもできますが、到着早々はあわただしいでしょうから、すぐに必要な分は日本で両替しておくことをおすすめします。

なお、あまり金額の大きい紙幣だと使える場所が限られてくるので、両替の際には少額紙幣(5、10,20ユーロ札)をできるだけ多く混ぜてもらうようにしてください。

100ユーロ以上ですと個人の商店などでは断られる可能性が高いです。

また、滞在期間すべての費用をカバーする現金を持っていくのは危険です。

現金は当面の費用分だけにして、クレジットカード・デビットカードを携帯すれば、必要に応じて現地のATMで現金を引き出すことができますし、盗難にあったとしてもカード会社に連絡すれば被害は最小限にとどめられます。

ちなみに、ヨーロッパではVISAかMasterのクレジットカードが主流で、JCBは使えないことが多いです。

また、キャッシュパスポートという海外での利用専用のプリペイドカードもありますので、選択肢にいれてみてください。

※参照:キャッシュパスポート公式ページ

辞書・参考書・学習用品(文具など)

  • 辞書:

辞書は語学生にとって必要不可欠なものですね。

短期留学の場合は電子辞書やスマートフォンのアプリだけでも何とかなるかもしれませんが、長期留学の場合は紙の辞書(少なくとも西和辞書)も持っていくことをおすすめします。

普段から使い慣れたものがあればそれを持参してください。

  • 文法書:

日本語で書かれたスペイン語文法の参考書があるととても便利です。

授業で(スペイン語で)説明されたことが分からない時などに確認することができます。

スペイン語で併記されたものがあればより望ましいですが、日本語だけでもかなりの助けになるでしょう。

  • 文房具:

もちろん基本的な筆記用具やノート・ファイルの類はすべて現地調達できますが、色やデザインなどの選択肢があまり無いことを覚悟しておいてください。

スペインの書店・文具店に行くと日本の文房具がいかにバラエティに富んでいて、機能性が高いかを再認識することになると思います。

生活用品

  • 衣類・靴:

最低でも週に1回は洗濯するとして、とりあえず1週間分くらいの衣類を持っていけば大丈夫でしょう。

特に長期留学の場合は、留学中に到来するすべての季節に対応する衣服を持っていこうとすると大変なことになります。

夏に留学開始の場合の冬服、冬に開始の場合の夏服などは、必要に応じて現地調達するほうが現実的です。

靴は必ず履き慣れたものを一足持っていきましょう。

スペインの旧市街では石畳や舗装されていない道が多いですし、学校まで結構な距離を歩くことになるかもしれません。

  • 薬・化粧品・洗面用具:

持病があって薬を常用している人は、医者に相談して多めに処方してもらいましょう。

持病がなくても、普段飲み慣れた風邪薬、胃腸薬、頭痛薬は持参することをおすすめします。

現地の薬局で購入することも可能ですが、日本と全く同じものが手に入るとは限りません。

微妙に成分や効き目が違うことがあります。

また、持病のある方は、万が一のために病歴のわかる診断書を英語(またはスペイン語)で書いてもらっておくと安心です。

化粧品や洗面用具については、特にこだわりやアレルギーが無い限り、当面の分だけ持参して、あとは現地で買うほうがいいかもしれません。

  • 眼鏡・コンタクトレンズ

普通の眼鏡やコンタクトレンズはもちろんですが、使い捨てのコンタクトレンズの場合もある程度の期間分を用意したほうがいいでしょう。

スペインでも比較的容易に購入することはできます。

ただ、視力測定をし直さないといけませんし、普段使っているメーカーのものがすぐに手に入るとは限りません。

  • パソコン、タブレット、スマートフォン:

学校内、大学のキャンパス内、ホームステイ先の他、多くのバルやカフェにもフリーのWiFiがあるので、通信会社との契約が無くともインターネットに接続できる場所は十分にあります。

学部や大学院留学の場合はレポートなども書くのでノートパソコンがあったほうがいいかもしれませんが、語学留学の場合はスマートフォンのみかスマートフォン&タブレットがあれば問題ないでしょう。

スマートフォンは日本からSIMフリーのものを持っていけば、スペインのSIMを購入してすぐに使えます。

また、現地で本体+SIMのプリペイドのスマートフォンを買うこともできます。

バスポートと滞在先を証明する書類があれば、複雑な手続きなど無くその場で買えます。

  • 変圧器・プラグ:

日本とスペインでは電圧が異なります(日本は100v、スペインは220v)ので、日本の電化

製品をそのまま使うと故障する可能性があります。

製品情報に「100V-240V」と書かれていない場合は変圧器が必要です。

また、プラグの差し込み口も違いますので、日本のAタイプの電化製品をスペインのCタイプで使用できるよう、変換プラグをいくつか持参しましょう。

その他

以下は必要不可欠ではないけれど、あれば便利というものです。

  • 日本食:

ある程度の規模の街には中国人が経営するアジア食材店があり、醤油、味噌、みりんなど基本的な調味料は手に入ります。

日本のメーカーのカレールーやインスタントラーメンなどを置く店も増えています。

マドリード・バルセロナには日本製品を専門に置くTOKYO-YAというお店もありますが、日本での販売価格を知っている日本人には、どの商品も少し高く感じられるかもしれません。

インスタントの味噌汁やふりかけなど、こちらでは手に入りにくそうなもの、かさばらず軽いものならば持参してもいいかもしれませんね。

  • 日本のお土産:

ホームステイ先などへのお土産は決して義務ではありません。

ただ、何か日本らしいものを持っていくと、やはり喜ばれますし話の種にもなります。

高価なものでなく、ちょっとしたお菓子や100円ショップで売っているような小物でも十分です。

材料や生産地などその品についてスペイン語で説明できるようにしておくと話が弾むと思います。

  • 家族や友達の写真:

日本での生活の様子がわかる写真を見せれば、お土産と同様にスペイン人のホストファミリーや友達との会話のきっかけになります。

特にスペイン人のセニョーラ(中年~年配のご婦人)たちは家族や親せきの話をするのが大好きです。

  • スペインのガイドブック:

留学中にスペイン各地を旅行する機会があると思います。

日本語の詳細なガイドブックがあれば安心ですね。

スペインで購入したほうが良いもの

スペインは一応(?)先進国なので、大抵の生活必需品は現地で購入することができます。

また、ものによっては日本から重い思いをしながら持ってくるより、現地で調達したほうが

安くあがったり楽だったりする場合もあります。

例えば、ヘアドライヤーは1000円~2000円くらいで買えるものもあります。

そのために高価な変圧器を購入してまで持ってくるくらいなら、現地でスペイン仕様のものを買ってしまったほうが安くすむでしょう。

留学中にはどうしても荷物の量が増えがちです。

生活必需品に加え、お土産も積み重なっていき、帰国時には荷物が当初の何倍にもなっている可能性があります。

日本から持ってくる(そして持って帰らなければならない)物は最小限におさえましょう。

留学前の心とからだ(と頭)の準備

持ち物とは別に、留学前にぜひ準備しておくべき事柄をまとめます。

スペイン語の勉強

現地でスペイン語の授業を受けるのは日本人だけではありません。

様々な言語の国からの生徒がいるので、授業も当然スペイン語で行われます。

すでに日本で学習した文法内容でも、スペイン語で説明されるとわけがわからない、なんてことも少なくありません。

基本的な文法用語だけでもスペイン語で覚えておくと、授業について行きやすくなると思います。

また、アジア人は欧米出身者とくらべ、たとえ文法の知識があったとしても会話で苦労することが多いのが現状です。

日本にいるうちからスペイン語のラジオ・テレビの番組やインターネットの動画を使って耳を慣らしておくとよいでしょう。

授業では、言語だけでなくスペインの歴史や地理、文化についても扱われることがあります。

事前に少しでも知識を身につけておくことは、授業を理解するのに役立ちますし、参加のモチベーションを上げてくれます。

病院・歯医者へ行く

前述のように、持病のある人は医者に相談して診断書や薬を出してもらう必要があります。

そうでない場合も、歯医者には行っておくことをおすすめします。

海外旅行(留学)保険も歯の治療については、緊急の場合以外はカバーしてくれません。

言葉が通じにくい場所で病院にかかるのは不安ですよね。

もっともそういう場合には必死で会話をしようと頑張るので、ボキャブラリーが増えたりもするのですが・・・・。

いずれにしても、日本を発つ前にできるだけの治療は済ませておきましょう。

あらゆる連絡先を控えておく

日本の家族のために、必ずスペインの留学先学校・滞在先の情報(住所や電話番号)のメモを残していきましょう。

家族が国際電話やスカイプなどに慣れていない場合は、使い方を説明しておいたほうがいいかもしれませんね。

逆に、自分から連絡するために、日本の家族の連絡先(携帯番号やメールアドレス)もメモをして持っていくことをおすすめします。

万が一の場合に備え、クレジットカードやパスポート、海外旅行保険の証券番号や緊急連絡先(カード会社、在スペイン日本大使館、保険会社)も控えておくといいでしょう。

また近年ではスマートフォンの紛失・盗難が増えています。

警察署に盗難届を出す際にスマートフォン本体のIMEI(端末識別番号)を聞かれますので、こちらもメモしておくと安心です。

たびレジへの登録・在留届

外務省が推進する「たびレジ」をご存知でしょうか。

留学前にこちらに登録しておくと、出発前や留学中に現地の安全情報を受け取ることができます。

また、現地で事件・事故に巻き込まれた時により迅速な対応をしてもらえます。

また、海外に3か月以上住所(居所)を定めて滞在する場合は、その国の日本大使館または総領事館に「在留届」と提出することが必要です。

目的はたびレジとほぼ同じですが、こちらは旅券法で義務付けられた手続きです。

現地に行ってからでも大丈夫ですが、忘れないようにしてください。

たびレジ、在留届のどちらもオンラインで手続きすることができます。

下記URLを参考にしてください。

まとめ

留学に関しては、いくら準備してもし過ぎるということはありません。

現地に行ってから困ることのないように、また、留学生活をより充実したものとするために、計画的に根気よくとりかかってください。

準備を進めているうちに、いつの間にかスペイン語のボキャブラリーが増え、スペイン文化についての知識も段々と増えていることに気づくと思います。

留学の効果はすでに出発前から現れると言えるのではないでしょうか。

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