
授業初日や初出勤の日、新しい友達や職場の人、あるいはビジネスの取引相手を前に、誰もがこれまで何度も自己紹介をしたことがあると思います。
そしてこれからの人生でも幾度となく自分のことを話す機会はあるでしょう。
英語で自己紹介をした経験のある人は結構多いですよね。
でも、日本語で話す時と同じ内容を伝えられたか、というと、そうでない場合のほうが多いのではないでしょうか。
スペイン語でも同じことが起こる可能性は十分あります。
語彙が足りない、あるいは表現の仕方が分からない、という理由で自分のことをよく分かってもらえないというのは残念なことです。
「あのことも言いたかったのに・・・」「本当はこう伝えたかったのに・・・」と後悔しないよう、ある程度は前もって準備しておきましょう。
ここでは、スペイン語を勉強し始めたばかりの初級者でも覚えやすいように、できるだけシンプルな表現を紹介していきたいと思います。
基本情報:名前・出身(国・街)・年齢・職業・現住所
自己紹介と言えば、まずは基本情報からですね。
状況によっては以下すべての項目を話す必要はありませんが、どれも覚えておいて損はないでしょう。
名前
日本語や英語と同様、スペイン語で自分の名前を伝える言い方は何通りかあります。
- Soy ○○. (ソイ 〇〇)=私は〇〇です。
- Me llamo 〇〇. (メ ジャモ/リャモ 〇〇)=私は○○と言います。
- Mi nombre es 〇〇. (ミ ノンブレ エス ○○)=私の名前は〇〇です。
1番のシンプルな言い方が一番カジュアルで、3番は少しかしこまった感じになります。
実際に一番使われているのは2番かもしれません。
フォーマルな場ではフルネームを言うこともありますが、カジュアルなシチュエーションでは名前(ファーストネーム)だけを伝えることが多いです。
日本とは違って、苗字だけを名乗ることは滅多にありません。
ちなみに、日本人の氏名ですとスペイン人にはどちらが苗字でどちらが名前なのか分からない場合があります。
勘違いされそうだなと思ったら、フルネームを伝えた後に、‟○○ es mi apellido, y ××es mi nombre.(○○ エス ミ アペジード、××エス ミ ノンブレ、「○○oが私の苗字、××が名前です」“と付け加えてもいいかもしれません。
氏名を名乗った後に、「お会いできて嬉しいです」という意味の以下のフレーズを加えるとより自然な感じになります。
- Encantado/a de conocerte/le.(エンカンタード/ダ デ コノセールテ/レ)
- Encantado/a de conoceros/les.(エンカンタード/ダ デ コノセールオス/レス)
上の文は自己紹介する相手が1人の時、下は複数いる時に使います。
また相手が自分と年齢的にあるいは社会的立場が同等の場合はconocerteやconoceros、高齢の人や目上の人に向かって話すときはconocerleやconocerlesを使うのがいいとされています。
出身地(国・街)
出身地あるいは国籍を伝える文の構文は大きく分けて二つです。
「私は日本人です」の場合、次の二通りになります。
- Soy japonés/japonesa. (ソイ ハポネス/ハポネサ)=私は日本人です。
- Soy de Japón. (ソイ デ ハポン)=私は日本の出身です。
1番で使われている「日本人」を指す言葉は、男性の場合japonés、女性の場合japonesaとなります。
なお、Japonés/japonesaは「日本人」という名詞として使われる場合と「日本の」という形容詞として使われる場合があります。
2番の構文ではJapónの部分を街や地方の名前に置き換えることで、「○○の街/地方の出身です」という文を簡単に作ることができます。
一方、1番の場合はjaponés/japonesaの部分にくる「○○人」という単語を知らなければなりません。
例えば、スペイン人ならば‟español/Española“、フランス人なら‟francés/francesa”という具合です。
スペイン語ではさらに「○○の街の出身」という意味の言葉が存在します。
例えば、スペインのマドリード出身であれば‟madrileño/madrileña“、バルセロナ出身であれば‟barcelonés/barcelonesa”となります。
日本の地名に関して言うと、スペイン語圏の国でもよく知られている東京については、男女に区別の無い‟tokiota(トキオタ、「東京人」)“という言葉が存在しますが、今のところあまり使用されていないように思います。
同様の言葉が存在しない街・地方の場合も含め、2番の‟Soy de ○○.” の構文を使ったほうが無難でしょう。
年齢
スペイン語で「私は○○歳です」という場合、‟Tengo ○○años.(テンゴ ○○アニョス)“という言い方をします。
Años「年・歳」の意味なので、直訳すると「私は○○年/歳持っています」ということになります。
「持っている」という意味の動詞tenerを使うところが、日本語や英語とは違いますね。
‟Soy 〇〇años. (ソイ 〇〇アニョス)”とはしないように気をつけてください。
職業
職業を伝える文章にもいくつかの構文があります。
例えばパン職人の場合:
- Soy panadero. (ソイ パナデロ)=私はパン職人です。
- Trabajo como panadero. (トラバホ コモ パナデロ)=私はパン職人として働いています。
- Mi trabajo es panadero. (ミ トラバホ エス ウン パナデロ)=私の仕事はパン職人です。
- Trabajo en una panadería. (トラバホ エン ウナ パナデリア)=私はパン屋で働いています。
4番は職業というより、どこで働いているかを伝える文です。
したがって、パン屋で働いていても職人ではなく販売員や経営者の場合、1~3番は使えません。
逆に、固定の職場のない専門職、あるいは学生などの場合には必然的に1~3番の構文を使うことになります。
- Soy estudiante universitario/a.(ソイ エストゥディアンテ ウニベルシタリオ/ア)=私は大学生です。
- Trabajo como arquitecto/a.(ソイ アルキテクト)=私は建築家として働いています。
- Mi trabajo es pianista.(ソイ ピアニスタ)=私の仕事はピアニストです。
現住所(居住地)
住んでいる場所を伝えるには以下の言い方ができます。
- Vivo en 〇〇. (ビボ エン 〇〇)=私は〇〇に住んでいます。
- Mi dirección postal es 〇△□×. (ミ ディレクシオン ポスタル エス 〇△□×)=私の住所は〇△□×です。
1番の場合、○○の部分には国、県、市、街、など何でも入れることができます。
どこまで詳しく聞かれているか状況によって判断して使いましょう。
2番の構文は、具体的な住所を伝えるためのものです。
番地まで詳しく言う必要がある場合はこちらを使うことになります。
自己紹介ではあまり必要ないかもしれませんね。
好きな物事・趣味・特技
自己紹介の主旨や状況によっては、基本情報以外に好きな物や趣味・特技について詳しく語る必要がでてくるかもしれません。
以下はすべて自分の好きな物事、趣味、興味のあることについて話す時の表現です。
よく似た文でも微妙にニュアンスが変わることに注目してみてください。
- Mi hobby es ver peliculas antiguas. (ミ ホビー エス ベール ペリクラス アンティグアス)=私の趣味は古い映画を観ることです。
- Me gusta ver películas antiguas. (メ グスタ ベール ペリクラス アンティグアス)=私は古い映画を観ることが好きです。
- Me gustan las películas antiguas. (メ グスタン ラス ペリクラス アンティグアス)=私は古い映画が好きです。
- Me interesa ver películas antiguas. (メ インテレサ ベール ペリクラス アンティグアス)=私は古い映画を観ることに興味があります。
- Me interesan las películas antiguas. (メ インテレサン ラス ペリクラス アンティグアス)=私は古い映画に興味があります。
1番の例文で使われている‟hobby “は、お分かりのように英語から来ています。
スペイン語で「趣味」を意味する‟afición” という言葉もあるのですが、最近ではhobby のほうが一般的になってきています。
2・3番は「〇〇が好き」、4・5番は「〇〇に興味がある」という構文ですが、2番と4番は「〇〇を××することが好き/に興味がある」と好み・興味の対象が「観る」という事(動詞)になっています。
これに対して、3番と5番では好き・興味の対象は「古い映画」という物(名詞)です。
自己紹介で自分の好きなことや趣味を伝えることで、相手に親近感を持ってもらえるかもしれません。
また、共通の趣味や関心事が見つかれば、その後の関係もよりスムーズに発展していくことでしょう。
この項目についてはできるだけたくさん、そして詳しく話ができるようにしておくことをおすすめします。
日本とスペインの自己紹介の違い
スペイン人が自己紹介をする時、あるいは初対面の人と会話する時にはあまり触れない項目・テーマがあります。
特に今後留学や海外赴任の予定がある人は、知っておいたほうがいいのではないかと思います。
血液型
日本ではABOの血液型占いや血液型による相性診断などがよく話題にのぼりますよね。
そうでなくても自分の血液型を知らない人は滅多にいないでしょう。
スペインでは血液型というのは医療機関で聞かれることはあっても、家族や友達との会話で話題になることはあまりありません。
実際、自分や家族の血液型についてRhプラスかマイナスについては知っていても、ABO式血液型のほうは確かでない、というスペイン人が結構います。
献血の際にも「A型の血液が足りません」など型別に募集することはごく稀です(もちろん献血時にはきちんと調べられますが)。
血液型について触れることがタブーというわけでは決してなく、単に日本人ほど関心がないということでしょう。
いずれにしても、自己紹介で「私はA型です」と言っても、「なんで今そんなことを言うんだろう」と不思議に思われるだけかもしれません。
宗教・政治
あまり親しい関係でない人との会話では、宗教や政治に関するテーマは避けたほうがいいと言われています。
実はスペイン人は宗教や政治の話をするのが大好きで、家族や親しい友達の間ではよく話題になります。
が、このことが原因で口論になることもしばしばです。
特に強い信念を持つ人は、自分とは違う宗教、政治的思考をもつ人に対して、批判したり考えを変えさせようとしたりする傾向にあります。
スペイン語力がついて、それなりの弁論ができるようになるまで、自分からは話題にしないほうがいいかもしれません。
ただ、相手から聞かれた場合は、何かしら答えなければなりませんよね。
そんな時は無宗教だというよりは、何らかの信仰があると言ったほうが印象がいいようです。
ひと昔前とは違って、彼らと同じ宗教を信じていないからといって、冷たい目で見られることもありません。
(珍しがられることは間違いないですが・・・。
)
いまだ多くのスペイン人は、日本人はみな仏教徒だと思っている節があり、アジアの文化や宗教に関心の高い人は、ZEN(禅)についてなど色々聞いてくることもあります。
熱心な信者でなくとも、日本人の生活には仏教や神道に関係のある風習や生活習慣があることを話してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ここで取り上げた以外にも、家族のこと、自分の出身地のこと、これまでの経験・経歴など自己紹介に含むことのできる事柄はたくさんあります。
海外に出た場合、または外国人の友達ができた場合には、これらを外国語で質問されることもあるでしょう。
日本語でなら当たり前のように伝えることができた内容でも、スペイン語となると思った以上に言い表すのが難しいことに気づくと思います。
自分のことをよく、そして正しく知ってもらうためにも、自己紹介の文章を事前に準備しておくことをおすすめします。